僕が好きな作家の一人、橘玲さんの新刊を読みましたので、感想・レビューしていきます。氏の著作からは、世界を生き抜くための知識や価値観を学べると思っており、本書も有益かつオススメの一冊となっております!
本書では、働き方を1.0から5.0の5段階にわけ、「日本の働き方が抱えている問題」や「日本や世界の働き方はどうなっていくのか?」「変わりつつ世界でどう生き延びていけばいいのか?」ということについて書かれています。
まずは5つの働き方の定義から解説していきます。
働き方の定義
- 働き方1.0 年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
- 働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダード
- 働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
- 働き方4.0 フリーエージェント (ギグエコノミー)
- 働き方5.0 機械がすべての仕事を行なうユートピア / ディストピア
本書では上記の通り定義されていて、日本は1.0から2.0に移行しようとしていますが、世界の最先端は3.0から4.0に移行しようとしています。
不愉快 / 不都合な真実
本書の序盤では、日本の働き方や会社の仕組みの問題点を指摘しています。
エンゲージメント指数
バブル最盛期から現代まで、どの時代の調査でも、日本人の会社や仕事に対する忠誠心は低いという結果になっています。
長時間労働
一見すると日本の労働時間は減少しています。ですが、正規と非正規労働者に分けてみると、短時間労働の非正規労働者が増え、その一方で正規労働者の労働時間が長期化していることがわかります。
低い生産性
その一方で、日本の生産性はOECD36カ国中21位、先進7カ国中最下位となっています。
この他にも、「戸籍制度」や「在日問題」、「解雇規制」、「定年と再雇用制度」といった種々の問題について解説されています。どれも表面的なことしか知らなかったため、問題の本質や関係者の思惑などを知ることができたのは大きな収穫でした。
世界を生き延びるには?
実際には、問題を抱えているのは日本だけではありません。ヨーロッパの国々やシリコンバレーのような最先端の世界であっても、大なり小なり問題を抱えています。そんな世界を生き延びるにはどうすればよいのでしょうか?
好きなことで生きていく
人生100年時代、数十年に渡ってやりたくもない仕事を続けることは、「苦役」でしかありません。ですから、「好きなこと」や「得意なこと」をマネタイズしていくことが重要です。
長く、いっしょに働く
「サラリーマンの夫が65歳で定年をむかえ、専業主婦の妻と、退職金や貯蓄、年金だけで残りの人生を生きていく」というのは、今後は難しくなっていきます。将来的な収支を計算してみれば、すぐにわかることです。
したがって、65歳以降も仕事を続け、パートナーにも働いてもらうというスタイルが必然となります。
積極的に「ギブ」する
社会がグローバル化・複雑化すると、人間関係も面倒なことが多くなってきます。そこで、人間関係も自分で選んだり、構築できると生きやすくなるでしょう。そのために必要なのは、自分が持っている情報やスキルを積極的にギブすることです。
おわりに
終盤の解決策や提言はもっともで説得力はあるのですが、過去の著作と重複している部分でもあります。氏のファンであれば、少しガッカリしてしまうかもしれません。
ただ、日本人サラリーマンの一人としては、今後のキャリアや生き方を考える上で、大いに参考になりました。Kindle版もありますし、ぜひとも読んでみてください。