Rio Blog

世界のどこかでゆるく生きるITエンジニアのブログ

未経験エンジニアがITスタートアップに転職したら1年で倒産した

スタートアップに入社するとこういうこともあるんだなぁという事例の一つとして参考にしていただければと思います。2022年9月に入社した自社開発企業が、2023年10月31日に倒産しました笑。

会社について

まず「ITスタートアップ」という表現は盛ってるというか、皆さんがイメージするものと、僕がいた会社は違うかもしれません。タイトル詐欺ですみません。お詫びします。

特定や身バレを防ぐためにぼかして書いていきますが、弊社は親会社が業界内で広く使われる業務アプリを開発するために2,3年前に設立されました。親会社が出資し、親会社の役員が弊社の役員として名を連ねているという状況です。

開発を担当していたのは、親会社とは関係なく正社員として採用された未経験~中堅エンジニアが中心で、フリーランスの方がいた時期もあります。開発メンバーは総勢10名前後でした。なお、冒頭にも記載しましたが、僕が入社したのは2022年9月です。

業務・開発について

前述の通り、特定の業界向けのWebアプリを開発していました。親会社から請け負う仕事などもなかったわけではありませんが、メインは自社でのアプリ開発でした。そういう意味では自社開発企業と言って問題ないと思います。

使用していた言語や技術としては、TpeScript, React, Python, Django, Docker, AWS, Github, Slackなど。ノートPCの他にモニターが支給され、リモートワークは比較的自由にできる状況。そういう面ではいわゆるモダンな環境でしたね。

開発中止、そして倒産へ…

自社開発企業とは言え、状況的に親会社の影響を強く受けます。開発が遅れ、完成を予定していた時期に役員を納得させられる成果物を弊社は提示できませんでした。その結果として、これ以上の出資はできないという判断が下りました。

出資がなければ開発を継続できないし、リリースもできないので当然売り上げや利益もありません。こうして弊社の倒産というか、清算が決まったというわけです。僕ら一般社員にこれが伝えられたのは2023年8月下旬で、倒産するのは約2ヶ月後の10月31日でした。

提示された道と僕の選択

清算後の選択肢として提示されたのは、親会社および関連会社での雇用です。個別に面談したので全てを把握しているわけではありませんが、親会社の情報システム部や経理部などが所属先として提示されました。もちろん、就職活動をして全く別な会社に入る、フリーランスになるなども各個人の自由です。

僕の場合は、情報システム部で雇用してもらい、元々やっていたアプリ開発を継続するという内容で提示があったので、ありがたい話として受けつつも、転職活動をしました。

ただし、下記の条件に合う求人がそもそも少なく、応募しても書類で落ちるケースが多かったです。まあ仕方ないですね。

  • 年齢: 30代前半
  • 経験:フロントエンド x 1年
  • 勤務地: 札幌 (Notリモート)
  • 業種: 自社開発 or 受託

転職成功

詳細は別記事でまとめようと思いますが、幸いなことにとある自社開発企業に採用していただき、クラウドインフラチームの一人として働くことになりました。

エンジニアとしての経験だけではなく、それ以前にフィリピンのセブ島で取締役として働いていた経験や、今後の伸び代なども評価してくださったのだと思います。

2つの学び

最後に今回の経験を通して学んだこと、感じたことを書いていきます。

利益 = 戦略 x 熱意

当たり前ですが、会社という組織は利益がないと存続できません。弊社は残念ながらその利益がなかったし、それ以前に「どういうプロダクトを作るか」という戦略と「これを売っていくんだ」という熱意が欠けていたように感じました。(会社や上司の責任ではなく、僕個人の責任でもあります)

とは言え、組織の中の一個人にできることがあるかと聞かれると、それもまた難しい。強いて挙げるならば下記の2つ。

1. ビジネスモデルや理念に共感できなければ入社しない

仕事が見つからなくて焦る、お金がなくて困る、みたいな状況を避けたいのはもちろんですが、そこで安易な決断をしてしまうのもオススメできません。

なんとなくで入った会社ではモチベーションやパフォーマンスが上がらず、結果として時間を無駄にする可能性が高まるからです。

2. 同僚や上司と積極的にコミュニケーションをとる

普段の業務時間やミーティング中には積極的に相手に質問を投げかけたり、自分の意見を言っていきましょう。

(このままだとよくないよなぁ)みたいな気持ちを抱えたまま黙っていても、事態は好転しませんからね。

定期的な転職活動

半年に1度くらいは履歴書や職務経歴書をアップデートしたり、転職サイトで求人を検索したり、転職エージェントに相談したり、といったことをやるべきだなと。

そうすることで、倒産や契約解除のような不測の事態にも落ち着いて対応できるし、自身のキャリを見つめ直して軌道修正するきっかけにもなります。

おわりに

以上、僕の体験談でした。

倒産は残念ですが、それも含めていい経験になりました。約1年前に僕を採用してくれたことは感謝していますし、会社や上司を恨んだりする気持ちは全くありません。学びに変えて精進するのみです。

何か質問などがあれば、コメント欄かX/TwitterのDMからどうぞ。