働くにあたって何冊かの本を読んだので、そのうちの3冊を紹介します。
どれも最近発売された本で、読みやすく、2冊はkindleで配信されています。
また、スタートアップや海外で働く方に限らず、様々な方にオススメできます。
これまでの経験や能力
僕はこれまでの人生や以前の仕事を通して海外事業に関わったり、外国人と接する経験というのは全くありませんでしたし、英語も話せませんでした。
その後、2016年の後半から2017年の前半までフィリピンのセブ島に留学し、英語とプログラミングを学んでいたので、多少の英会話ができるのと、フィリピンやフィリピン人についてもある程度は理解しているという状況でした。
自分に必要な本を見極める
まずは、自分は何を勉強すべきか、会社から何を求められているのかといったことを理解し、その為に役に立つ本を選ぶということが重要です。
"スタートアップでフィリピン人をマネジメントする"
上記のポジションに立つ僕にとって必要なのは、以下の能力だと考えました。
- 語学力
- マネジメントスキル
- スタートアップで成果を上げるためのマインド
会計や法務の知識、ITスキルなども当然必要ですが、優先順位としては下です。
3冊の本を紹介
では、やっと本題です!
1. フィリピン 急成長する若き「大国」
一言で言えば、フィリピンの概要を知るための最高の一冊です。
かつては「アジアの病人」、今は「アジアの希望の星」と呼ばれる国、フィリピン。
そんなフィリピンの近現代史、アジアにおけるポジション、経済や政治の状況、日本との関係、今後の展望や課題などが、非常にわかりやすくまとまっています。
著者の井出さんは、かつてIMFでフィリピン担当エコノミストをされていた方です。
客観的事実に基づいて分析・考察されながらも、井出さんのフィリピンを愛する気持ち、将来に期待する気持ちが伝わってきて、こちらとしてもフィリピンが好きになり、働くのが楽しみになりました。
2. 異文化理解力
この本では、コミュニケーションにおける文化や思考の違いをわかりやすく示しています。
もう少し具体的に説明しましょう。
著者が用いる8つの指標
- コミュニケーション:ローコンテクスト vs ハイコンテクスト
- 評価:直接的なネガティブ・フィードバック vs 間接的なネガティブ・フィードバック
- 説得:原理優先 vs 応用優先
- リード:平等主義 vs 階層主義
- 決断:合意志向 vs トップダウン式
- 信頼:タスクベース vs 関係ベース
- 見解の相違:対立型 vs 対立回避型
- スケジューリング:直線的な時間 vs 柔軟な時間
指標上に各国がプロット
例えば、最初の指標、コミュニケーションでは、左端に近づくほどローコンテクストな文化、右端に近づくほどハイコンテクス文化を意味する一本の横軸があり、アメリカは左端に、日本は右端に位置します。
オランダやドイツ、イギリスなどのアングロサクソン系の国はアメリカの右側に位置し、つまりはアメリカほどではないが、ローコンテクストな文化であることを示します。
アフリカやアジアの国々は右側に位置し、日本ほどではないが、ハイコンテクストな文化であることがわかります。
特徴は相対的で複合的
この指標を見ると、例えばイギリス人はアメリカ人からするとハイコンテクストですが、日本人からするとローコンテクストということになります。
当然といえば当然ですが、コミュニケーションの特徴というのは、相対的なものです。
日本人から見たイギリス人と、アメリカ人から見たイギリス人は違うということを忘れると、コミュニケーションは上手く行きません。
また、コミュニケーションの指標で位置が近かった国同士でも、別な指標では真逆に位置するということがあります。
ヨーロッパ人だからと一括りにするのは間違っているということですね。
グローバルに働く方にとっての必読書
日本人の特徴を見つめ直したり、他国の文化を知ることができるだけではなく、どう対処すべきかという部分も書かれているので、間違いなく仕事の役に立ちます。
著者が体験したり見聞きした実例も興味深く、楽しみながら読めるはずです。
3. 逆説のスタートアップ思考
Facebookのようなスタートアップが、どのような思考と戦略で急成長したのかを解説した本です。
タイトルに"逆説の"とあるように、成功したスタートアップの多くは一見すると正しくないと思える戦略をとっているが、実は正しい、ということを以下の3つ(+1つ)の観点から解説しています。
起業したい方や、スタートアップでバリバリ働きたいという方、Webサービスやアプリケーションなどのモノ作りがしたい方にオススメの本です。
おわりに
以上、スタートアップや海外就職に興味がある方に向けてのレビューでした。
今後もこんな感じで様々なジャンルの本を紹介していくので、お楽しみに!