「日本人は恩知らずだ」という趣旨のツイートを見た。
最近までフィリピンのセブ島で仕事をしていた僕は、むしろ日本に帰ってきてからは「日本人って優しいし義理堅いなぁ」と感じることが割とある。あくまでも僕の個人的な体験でしかないけど、その辺のエピソードを書いてみようと思う。
フィリピン - 金はある人が出す
フィリピンと日本では、フィリピンの方がお金の貸し借りがより頻繁に、日常的に、起きていると思う。成人して働く子供が、給与を親に送ったり、従業員が会社から借りたりなど。
「フィリピン人は家族を大事にする」というステレオタイプなイメージがある。これは間違ってはいないけど、「社会保障制度がぜい弱だから、家族間で助け合わないと生きていけない」という面もあると僕は見ている。日本だったら医療費は3割負担だったり、年金や生活保護といった制度がある程度は充実しているけど、フィリピンはそうではないということだ。
だから、フィリピン人と結婚すると、何かと理由を付けてお金をくれと言ってくる親せきが現れて苦労したりもする。
逆に、家族や親しい友人関係であれば、親身になって助けてくれることもあるだろう。良くも悪くも距離感が近いので。
ちなみに、誕生日は誕生日の人がパーティーを主催したり、食事を用意したりする。結婚式も同じような感じで、(関係性にもよるんだろうけど、)参列者はご祝儀や会費は出さずに飲み食いするようだ。
台湾 - もてなすのが好き
台湾に旅行に行った時に、台湾人の友人に案内してもらったことがある。友人は桃園空港まで迎えに来てくれてただけではなく、SuicaのようなICカードを予め僕の分まで用意していて、それを渡してきた。
別日に僕が駅で電車のチケットを買おうとした時には、横から割り込むように券売機にお金を入れて、僕のチケット代を払おうとしてきた。
夜市に行けば、「何食べたい?」「これ美味しいから食べてみて」と積極的にガイドして、当然のごとく全てお金を払ってしまう。
いくら親しい友人関係とはいえ、日本人同士ではここまでやらないだろうなと思ったし、むしろ友人という対等な立場だからこそ、割り勘にしたりするんじゃないだろうか。
日本 - みんながお祝いをくれる
冒頭でも軽く書いたが、僕はフィリピンの日系企業で働いて、転職と結婚のタイミングで日本に帰ってきた。
帰国して辞める会社の社長や関係者の方と会い、数万円はするプレゼントと寄せ書きをもらった時は、「流石は日本のビジネスマン…まめだなぁ…」と思った。久しぶりに会った親族も、きちんとのし袋に数万円を包んでくれる。
学生時代の友人数名と飲みに行った時は、一次会の費用を出してくれて、「何か欲しいものある?」と聞かれたので「掃除機がほしい」と素直に言ったら、後日みんなでお金を出して買って送ってくれた。
こういった体験を通して、「今まで意識したことなかったけど、日本人って恩義やマナーに忠実でなかなか素晴らしいのでは…?」と思った。
ただし、繰り返しにはなるけど、これらはあくまでも僕の個人的な体験と感想だ。日本で生まれ育って日本に親族や友人が多くいるんだから、日本人の恩義をより感じるのは、そりゃあそうだろうという見方もできる。
また、「ご祝儀貧乏」なんて言葉があるように、断れない性格だったり、周りの人の結婚が相次ぐ状況だったりすると、どんどんお金が出ていってツラいという場合もあるかもしれない。そういう人からすると、フィリピンのように、イベントはお金のある人が主催して、参加費はタダというスタイルが魅力的だろう。
お金を出したいという気持ちが湧いてきた
僕は、昔から誕生日やイベントを祝ったり、プレゼントをあげるようなタイプではない。むしろ、「いちいち踊らされるな。心穏やかに日常を過ごせ。」とか思っている。
それでも、ここ数年は「何かめでたいことがあったらお金を出して祝いたい欲」みたいなことを感じるようになってきた。友人の結婚とか、年下の親せきの就職とか、両親の誕生日とか。
そう感じる原因はわからないけど、別にその欲を否定する気持ちはなく、むしろ素直にその欲に従って、お金をあげたり、何かをプレゼントしている。当然相手は喜んでくれるので、こちらとしてもいい気分だ。
おわりに
以上が僕のささやかな体験と感想でした。
皆さんは、日本人の性格やマナーをどう思っていますか?
また、外国人や過去の日本人と比較して何か感じることはありますか?